ルーブル宮の一翼に位置し、所蔵品は15万点。2006の改装後、いっそうパワフルになっている。
室内に関する歴史を語る数々の家具コレクションから、マリー・アントワネットのモバイルコスメ入れや小さな陶器の人形たち、花瓶や陶磁器の数々、ナポレオンの絨毯、ジャンヌ・ランバンの豪奢な部屋、貴重なモダンファニチャーのオリジナルいっぱい、などなどなど。常設展示もめくるめく展開で飽きない。
特筆したいのは特別企画展のキュレーションの鋭いこと。刺激的で面白い。
たとえば2008には(旧聞ですみません)赤がテーマの企画展で、思いがけない組み合わせでインテリアの可能性を展開していて目を見張った。
たとえばカンパーナ兄弟のアヴァンギャルドなヒモチェアに、額縁もさすがの重厚な油彩。
ヒモ紐の椅子はエドラの名品「Vermelha」 Fernando & Humberto Campana 1993年作 |
はたまたフューチャリスティックな流線型のシェーズロングに合わせるのはゴブラン織り!
フレンチモダンの「Djinn」シェーズロング(Airbourne)。Olivier Mourgue1965年作品。 |
これって、まさにインテリアスタイリング。ここまで本物中のほんもので空間作りはまさか出来ないけど、目指す方向は同じと思いたい。思いがけない組み合わせなのになじんで見える、新鮮な空間作りこそがスタイリングです、って。
「組み合わせはデザイン=アート」である。
美術館は何を持っているか、よりどう飾るか、の時代。
歴史的なピースと同じようにモダンや近作に対しても尊敬と評価がなされていて、すんばらしいし。
写真撮影自由なのもうれしい。
パリ装飾芸術美術館
107, rue de Rivoli 75001 Paris
http://www.lesartsdecoratifs.fr/ |